とりあえず音楽でも。

最近のR&BやらHIP HOPやら。CDで買えるものを紹介します。

2023-01-01から1年間の記事一覧

Victoria Monet / Jaguar II

今年一番楽しみにしてたアルバム。とにかく曲がいい。参加アーティストも客演にLucky Daye、Buju Banton、プロデュースにはSilk Sonic やTy Dolla SignでR&B愛溢れる仕事をしたD'Mileをメインに、Kaytranadaもアルバム中の良いアクセントとして効いています…

Jamila Woods / Water Made Us

前作"Legacy Legacy"から4年ぶりの3rdアルバム。肩の力の抜けたヴォーカルが心地よい。いわゆるネオ・ソウルに分類される人なんですが、アルバムごとに全体の味付けを変えてくるので、新作が楽しみな一人です。 今作は内省的なフォークロックが多めで、アク…

Jorja Smith / falling or flying

CDでのリリースは3枚目。デビュー当初からかなり注目を集めていたジョルジャさん、順調にキャリを重ねている様で何よりです。少し鼻に抜けるような感じのヴォーカルはキープしつつ、10代のころの儚さが後退して、大人の強さ、したたかさが滲み出てているよう…

Bakar / Halo

あまりにスタイリッシュな外見に、インフルエンサーが片手間にやってるのかと思いきや(完全な偏見)、ガッツリ本気でした。1stでも評価されたヒップホップやパンクなんかのユース・カルチャーがシームレスに溶け込んだサウンド、インディー・ロックらしいフ…

Corinne Bailey Rae / Black Rainbows

7年(!)ぶりの4作目。彼女の作品はネオ・ソウルの文脈で語られることが多かった印象ですが、今作はリード・シングル”New York Transit Queen”含め、随所に歪んだギター・サウンドを大きくフューチャーさせたロック的なアプローチが目立ちます。 個人的に現…

Travis Scott / Utopia

5年ぶり4thアルバム。今のHIP HOP界隈で新作をリリースすると最も注目を集める人、のはず。音的にはトラップなんですが、それにとどまらないのがこの人の魅力。前作は朽ち果てた”遊園地”がトータルイメージだったんですが、今作もタイトルとは裏腹というか、…

Mahalia / Irl

4年ぶりの2nd。まだ25歳なんですがシンガーとしてのキャリアは10年以上と、いわゆる天才少女だったんでしょうか。デビュー作では初々しい感じが強かった彼女も今作ではかなり堂々とした歌いっぷり。声のキャラ的にはアンニュイなタイプです。取り上げる1曲は…

Dinner Party / Enigmatic Society

2000年代から活躍する同世代の4人のミュージシャンからなるユニットの2ndアルバム。全体のトーンは9th Wonderらしいソフトでゆったりとした感じ。逆に言ううと20年前とあんまり変わってない訳なんですが、その当時から世界観やスタイルが完成していたという…

SZA / SOS

デジタルから1年遅れてフィジカル・リリースしてくれました。"Hit Different"が個人的に2020年のベスト・トラックだっただけに待望の1枚。その"Hit Different"が入っていないのは残念至極なんですが、まぁしょうがない。正直ファーストほどのインパクトはな…

Madison McFerrin / I Hope You Can Forgive Me

名前はマディソン・マクファーリンと読みます。ということで"don't worry be happy"で知られるボビー・マクファーリンのお嬢さんです。曲調はAOR風から打ち込みまで幅が広いんですが、すこしハスキーで特徴的な声(これは天性なんですよね)がしっかり中心に…

Joey Bada$$ / 2000

5年ぶりのフルアルバムが1年遅れでフィジカルリリース。待ってたよ!90年代(いわゆるゴールデン・エラ)のヒップホップの雰囲気をたっぷりとまとった今作、ましてやタイトルがグランド・プーバの名作と同じとなればもう、ね。ヒップホップも登場して50年く…

6Lack / Since I Have A Lover

わかり易いキャラでゲストアーティストとして大人気の6Lack、自身のアルバムは5年ぶりだそうです。この人の曲はどうにも鬱っぽくて、個人的にはアルバム通してはなかなか聴きにくかったんですが、今作はポップ寄りのアレンジの曲が多く、「あれ?」って感じ…

Yazmin Lacey / Voice Notes

一言でいうとエリカ・バドゥ・フォロワーの一人です。でもね、それでいいんです。変拍子のジャジーなトラック、力が抜けた思わせぶりなヴォーカル。メインストリームのR&Bにはない突き抜けた感。ここまで堂々としたフォローされると素直に聴けます。ぶっちゃ…

Jayda G / Guy

UKの老舗NINJA TUNEからハウス系DJ/プロデューサーのアルバム。テイラー・スゥイフトやデュア・リパなんかのリミックスでも有名との事ですが、その辺はチェックしてないので割愛。ボーカルは全曲自分でやってます。前に取り上げたSG Lewisと同系統で、軽めの…

Daniel Caesar / Never Enough

カナダ出身のシンガー・ソングライター。CDのリリースは4年ぶり2枚目。全体的に気だるい、脱力感のあるボーカルで、中でも艶っぽいファルセットはエロさダダ洩れです。ロウ・ファイなトラックも特徴的で、90年代のいわゆるネオ・ソウルっぽさも多分に感じら…

Kelela / Raven

US出身ののシンガーの2nd。ジャケの雰囲気、Warpからのリリースってことでひんやりしたエレクトロニカを想像したら、その通りでした。彼女のルーツ(エチオピア系の二世とのことです)を強く押し出したビジュだとか、アフロビートを取り入れた楽曲とか、抑揚…

Muni Long / Public Displays Of Affection: The Album

USのリリーススケジュールは、プロモーションの兼ね合いもあって11月頃から年始の期間はリリース数が極端に減ります。そんな時期にグラミー賞(2月)のリストを眺めていて、"Best New Artist"とR&Bの複数部門にノミネートされていたこの人に目が留まりまし…

Kali Uchis / Red Moon In Venus

コロンビア出身シンガーの3rdアルバム。全編スペイン語の前作が大ブレイク。今作はラテン系の色が濃かった前作より、かなりメインストリームR&Bに振った感じです。この人の魅力は何といってもジャケでもわかる通りの”メス感”です。ただ弱々しいそれではなく…

Smino / Luv 4 Rent

J.コールのドリームヴィルで注目を集めるラッパーの3rdアルバム(CDでのリリースは1st以来で5年ぶり)。時に歌うようなフロウで、楽曲のタイプもバラエティに富んでおり、聴けば聴くほど味が出るタイプのアレです。絶頂期のアウトキャストにも似た感覚もるの…

Giveon / Give Or Take

魅惑の(笑)バリトン・ヴォイス、ってどうしようもなく古臭い表現がぴったりな、良い意味で「古き良き」感が濃いシンガーの2ndアルバム。ジャスティン・ビーバーの"Peaches"での違和感(もう一人のダニエル・シーザーも大概でしたが)も逆に新鮮で彼の存在が…

Kendrick Lamar / Mr. Morale & The Big Steppers

ラップ・スターにありがちなゴシップとは無縁。ある意味いま最もハード・コアな存在とも言えるケンドリック・ラマーの4thアルバム。NHKで単独インタビューを受けるアメリカのラッパーなんてそうそういません。 www3.nhk.or.jp ピックアップする1曲はネタ感が…

Toro Y Moi / Mahal

通算7枚目のフルアルバム。60年代末から70年代前半のローファイ・サウンドが軸。Yesや、スライ・ストーン、ジミ・ヘンドリックスあたりを彷彿とさせるギミックが山盛り。ファズやワウにパン、ハモンドオルガン、逆回転等々。ヴィジュアルからもこのアルバム…

Denzel Curry / Melt My Eyez See Your Future

2017年の1st以降コンスタントにリリースを続けるマイアミのラッパー5thアルバム。サンプリング感の強いローファイな曲では90'sを彷彿とさせるフロウを、トラップビートの曲ではしっかりそっちにも対応と、Joey Bada$$やTravis Scottと同系譜の人です。ふり幅…

Kehlani / Blue Water Road

メジャーデビュー(2017年)後の3rdアルバム。デビュー時は個人的にどうにもビジュがピンと来なくて食指が動かなかったんですが、ゲスト仕事を色々聞くうちに「待望の」になりました。スリック・リックにEPMDとコテコテのヒップホップネタの曲ですら中和して…

Ella Mai / Heart On My Sleeve

"Boo'd Up"でブレイク以降、順調にキャリアを重ねている印象です。基本的に前作の作風を踏襲した、いわゆる”90'sフレイヴァ”満載の1枚です。ゆったりしたビート、抑制が効いたでクールな歌声と、しゃくりやレイドバックを多用した表現の組み合わせが、「熱く…

FKJ / VINCENT

「Ylang Ylang」でFKJに初めて触れた私にとっても待望の2ndアルバム。CDも出してくれて本当にありがとうございます。2022年に1番聴いたアルバムだと思います。まずはじっくりFKJの耽美的な世界観に浸るのが正しい摂取方法です。ゆったりしたテンポの中にも緊…

Kojey Radical / Reason to Smile

2014年ころにデビュー、徐々に注目を集め、ここ数年はアルバム待ちだったんですが、ちゃんとCDでリリースしてくれました!UKのアーティストらしく、影響を受けたであろういろんなスタイルのトラックを採用。生音、打ち込み、サンプリング、ボーカル入りあり…

Tank & The Bangas / Red Balloon

ライブの評判がいいバンドってパッケージにすると、ライブが良いだけに退屈な作品になりがちなんですが、ソウル、ファンク、ヒップホップ、ニューオリンズジャズと幅広いジャンルと、それぞれの曲がそのジャンルの曲として質が高いおかげで、ぐいぐい引き込…

Kanye West / Donda

お腹一杯CD2枚組。ここ数年はゴシップばかりが注目されがちなんですが、本業はしっかりしてるんですよね。デジタルリリースされた2021年時点で、キャリア18年でもこの創作意欲。Princeなんかと同類の天才なんだと思います。1枚目はダークで張り詰めた曲が多…

Robert Glasper / Black Radio III

「Ⅰ」のリリースから10年。jazzを軸にブラックミュージックを融合するこのシリーズ、3作目もとがりまくってます。どれもいい曲なんですが、ここではyebba(この人もフィジカルリリースがないんですよね)が参加したこの曲を。 youtu.be Robert Glasper / Over…