とりあえず音楽でも。

最近のR&BやらHIP HOPやら。CDで買えるものを紹介します。

Kehlani / Crash

約2年ぶりの4枚目。前作は90's R&Bへのオマージュっぽかったんですが、今回はガラッと変わって今風のオーソドックスなメインストリームR&B。プロデューサー陣もBeyonce、Ariana、Kanyeなど超メジャーアーティストの作品で実績のある面々で、上質且つ手堅い作品です。

とりあげた一曲も有名なリディム(Coolie Dance)を使った間違いなくアガる仕上がり。結構ガッツリ踊ってて、MVとしても見ごたえがあります。前作を聴いても思ったんですが、売り出し方が見た目(全身タトゥー)に引っ張られ過ぎて、損してると思うんだよなぁ。

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Kehlani - After Hours

NxWorries / Why Lawd?

アンダーソン・パークとノレッジ、二人の天才によるユニットの8年ぶりの新作。その8年間、前者はグラミー賞を受賞、ブルーノ・マーズとのシルク・ソニックが大ヒットが大ヒット、他にも様々なアーティストとコラボし、まさに八面六臂の大活躍。一方後者は膨大な量の高品質ビートを作り続ける職人として、リスペクトを集め続けてきました。

ウエットでノスタルジックなビート、レイドバック感たっぷりのラップ/ヴォーカル。HERやサンダーキャットといった、いかにもなゲスト陣もちょっと控え目。日常の傍らに置く上質な小物のように、そこにあるだけで何となくQORが上がるような作品です。

地味っちゃあ地味なんです。でもそこが良いんだよねー。

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OutTheWay (feat. Rae Khalil)

 

Hiatus Kaiyote / Love Heart Cheat Code

メルボルン出身4人組バンド。3年ぶり4枚目。2枚目と3枚目の間が5年空いたことを考えれば「もう?」って感じです。

ジャンルとしてはフューチャーソウルなんて言われたりしますが、私的にはロックじゃない「何か」です。得体の知れなさとポップ・ミュージックとのバランスが実に絶妙で、前作が3年たっても聴き飽きない秘訣なんだと思います。

今作に関してのインタビューでは「シンプルにした」との事ですが、あくまで彼らの過去作との相対的な評価であって、一般的には十分複雑で変則的です。

正直好みが分かれる音楽だとは思います。なのでご紹介する一曲が刺さった方は是非過去作品も聴いてみてください。損はさせません。

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Hiatus Kaiyote - 'Telescope' (Official Audio)

Schoolboy Q / Blue Lips

前作”Clash Talk"から約5年ぶりのリリース。前作リリース後はかなりゴルフにのめり込んでいたそうです。レーベルメイトだったケンドリック・ラマー同様、マチズモとは距離を置いた、派手さ控えめ、地に足のついた活動を続けています。一口にヒップホップといっても、トラヴィス・スコットから彼のような人まで、しっかり商業ベースで成り立っているのがUSシーンの懐の深さであり、90年代以降変わらない魅力なんですよね。

とりあげる1曲はアルバム中でも屈指のサンプリング感が味わえるこの曲。ピアノ、ストリングス、ミュートしたトランペット、ピッチを落としたヴォーカルとゆったりしたムーディーなトラックに切れのよいラップが乗ってます。

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ScHoolboy Q - Blueslides

Tyla / Tyla

先行の2曲("Water"、"Truth or Dare")が気持ちよくてリリースを心待ちにしてた1枚。今年のグラミーでベスト・アフリカン・ミュージック・パフォーマンス(彼女は南アフリカ出身です)を受賞したタイミングでリリースとなりました。ヤッタネ!

アフロ・ビートとハウスとR&Bをミックスしたサウンド(アマピアノと言うらしいです)が特徴。鼻にかかった声、細身の体から少し苦しそうに出す高音とアリアナとキャラ被り気味なだけに、リリースのタイミングまでもろ被りになったのは、いかにも勿体無いです。

肝心のアルバムの内容といえば各曲とも粒ぞろいで、「"Water"の一発屋では終わらないぞ」的な強い意気込みを感じます。ハウスの体感温度低めなビートと、少し儚げなヴォーカルはこれからの季節にぴったりだと思います。

ピックアップするのはナイジェリア出身のシンガー、Temsが参加したこの曲。リアーナの"Lift Me Up"の作家の一人としてクレジットされている彼女も気になります。

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Tyla - No.1 (Official Lyric Video) ft. Tems

Usher / Coming Home

8年ぶり9枚目。とはいえ90年代から00年代を代表するシンガーの印象が強いので、お久しぶり感はもっとかも。2月に行われたスーパーボールのハーフタイムショーをアルバムのプロモーションの場にしちゃう辺りは、やっぱりスターです。

本アルバム、そのショーでも共演したH.E.R.の他Summer Walker、21 Savageら若手の人気アーティストを参加させたりしてはいますが、当時から聴いていた(私なんかの)層にとっては彼の歌声が健在なだけで結構満足度が高かったりもします。トラックはプロのプロデューサー陣がとがり過ぎない程度にアップデートさせているので、ベテランの久々のリリースにありがちな貧乏くささとは無縁です。安心してください。

そんな懐かしい気持ちも満たされながら、最近のR&Bにも触れた感覚も得られるこのアルバムから選んだのはアルバム冒頭のこの曲。ただ残念な事にこの曲以外ダンスチューンがありません。若いころからダンスには熱心に取り組んでいた(と昔LAリードが言っていました)ようだし、まだまだ踊れそうだし、実際踊れてたし。

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USHER - Keep On Dancin' (Visualizer)

Bas / We Only Talk About Real Shit When We're Fucked Up

Jコール率いるDreamvilleのラッパー/シンガーの4枚目のアルバム。「こいう音」という明確な表現がしづらいんだけど、どこを切ってもなんとなく「Jコールっぽい」、Dreamvilleらしいサウンドが満載です。

典型的なトラップ・ソウルもあれば、対角線にあるようなFKJとの共作やら、彼のルーツを感じさせるアフロ・ビートもあったりで、ジャケのハードコアなイメージとは裏腹のバラエティに富んだ華のあるアルバムに仕上がっています。

チョイスしたのはJコールが参加した"Passport Bros"。このアルバムを象徴するようなモチーフとトラック、なんて理屈ぽく書きましたが、ただただ格好良いです。

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Bas - Passport Bros (with J. Cole) (Official Music Video) ft. J. Cole