とりあえず音楽でも。

最近のR&BやらHIP HOPやら。CDで買えるものを紹介します。

Tyla / Tyla

先行の2曲("Water"、"Truth or Dare")が気持ちよくてリリースを心待ちにしてた1枚。今年のグラミーでベスト・アフリカン・ミュージック・パフォーマンス(彼女は南アフリカ出身です)を受賞したタイミングでリリースとなりました。ヤッタネ! アフロ・ビー…

Usher / Coming Home

8年ぶり9枚目。とはいえ90年代から00年代を代表するシンガーの印象が強いので、お久しぶり感はもっとかも。2月に行われたスーパーボールのハーフタイムショーをアルバムのプロモーションの場にしちゃう辺りは、やっぱりスターです。 本アルバム、そのショー…

Bas / We Only Talk About Real Shit When We're Fucked Up

Jコール率いるDreamvilleのラッパー/シンガーの4枚目のアルバム。「こいう音」という明確な表現がしづらいんだけど、どこを切ってもなんとなく「Jコールっぽい」、Dreamvilleらしいサウンドが満載です。 典型的なトラップ・ソウルもあれば、対角線にあるよう…

Ariana Grande / eternal sunshine

2年ぶり7作目。デビューアルバムが2013年なので、10年以上ヒット作を出し続けるプレッシャーは、本人、周囲のスタッフとも想像を絶するものがあるんだろうなと思います。個人的にはマンチェスターのテロ事件(これも常人では想像がつかない世界線)から立ち直…

Kali Uchis / Orquideas

もうね、見たまんまです。歌声がとにかく。前作が英語詞のUSメジャーR&B路線だったので、今回はスペイン語詞のラテン路線です。と言っても典型的なラテンポップというよりレゲトンやラテンハウスなんかのアッパーな曲だったり、スムーズで洗練されたR&B的ア…

2 Chainz ,Lil Wayne / Welcome 2 Collegrove

リル・ウェインと2度目の競作です。メジャーデビューは2012年、すでに35才とベテランの域に差し掛かった年齢だったわけですが、その後はコンスタントにリリースを続け今作が8枚目のスタジオアルバムです。小刻みなトラップのリズムに、おっさん二人の貫禄た…

Victoria Monet / Jaguar II

今年一番楽しみにしてたアルバム。とにかく曲がいい。参加アーティストも客演にLucky Daye、Buju Banton、プロデュースにはSilk Sonic やTy Dolla SignでR&B愛溢れる仕事をしたD'Mileをメインに、Kaytranadaもアルバム中の良いアクセントとして効いています…

Jamila Woods / Water Made Us

前作"Legacy Legacy"から4年ぶりの3rdアルバム。肩の力の抜けたヴォーカルが心地よい。いわゆるネオ・ソウルに分類される人なんですが、アルバムごとに全体の味付けを変えてくるので、新作が楽しみな一人です。 今作は内省的なフォークロックが多めで、アク…

Jorja Smith / falling or flying

CDでのリリースは3枚目。デビュー当初からかなり注目を集めていたジョルジャさん、順調にキャリを重ねている様で何よりです。少し鼻に抜けるような感じのヴォーカルはキープしつつ、10代のころの儚さが後退して、大人の強さ、したたかさが滲み出てているよう…

Bakar / Halo

あまりにスタイリッシュな外見に、インフルエンサーが片手間にやってるのかと思いきや(完全な偏見)、ガッツリ本気でした。1stでも評価されたヒップホップやパンクなんかのユース・カルチャーがシームレスに溶け込んだサウンド、インディー・ロックらしいフ…

Corinne Bailey Rae / Black Rainbows

7年(!)ぶりの4作目。彼女の作品はネオ・ソウルの文脈で語られることが多かった印象ですが、今作はリード・シングル”New York Transit Queen”含め、随所に歪んだギター・サウンドを大きくフューチャーさせたロック的なアプローチが目立ちます。 個人的に現…

Travis Scott / Utopia

5年ぶり4thアルバム。今のHIP HOP界隈で新作をリリースすると最も注目を集める人、のはず。音的にはトラップなんですが、それにとどまらないのがこの人の魅力。前作は朽ち果てた”遊園地”がトータルイメージだったんですが、今作もタイトルとは裏腹というか、…

Mahalia / Irl

4年ぶりの2nd。まだ25歳なんですがシンガーとしてのキャリアは10年以上と、いわゆる天才少女だったんでしょうか。デビュー作では初々しい感じが強かった彼女も今作ではかなり堂々とした歌いっぷり。声のキャラ的にはアンニュイなタイプです。取り上げる1曲は…

Dinner Party / Enigmatic Society

2000年代から活躍する同世代の4人のミュージシャンからなるユニットの2ndアルバム。全体のトーンは9th Wonderらしいソフトでゆったりとした感じ。逆に言ううと20年前とあんまり変わってない訳なんですが、その当時から世界観やスタイルが完成していたという…

SZA / SOS

デジタルから1年遅れてフィジカル・リリースしてくれました。"Hit Different"が個人的に2020年のベスト・トラックだっただけに待望の1枚。その"Hit Different"が入っていないのは残念至極なんですが、まぁしょうがない。正直ファーストほどのインパクトはな…

Madison McFerrin / I Hope You Can Forgive Me

名前はマディソン・マクファーリンと読みます。ということで"don't worry be happy"で知られるボビー・マクファーリンのお嬢さんです。曲調はAOR風から打ち込みまで幅が広いんですが、すこしハスキーで特徴的な声(これは天性なんですよね)がしっかり中心に…

Joey Bada$$ / 2000

5年ぶりのフルアルバムが1年遅れでフィジカルリリース。待ってたよ!90年代(いわゆるゴールデン・エラ)のヒップホップの雰囲気をたっぷりとまとった今作、ましてやタイトルがグランド・プーバの名作と同じとなればもう、ね。ヒップホップも登場して50年く…

6Lack / Since I Have A Lover

わかり易いキャラでゲストアーティストとして大人気の6Lack、自身のアルバムは5年ぶりだそうです。この人の曲はどうにも鬱っぽくて、個人的にはアルバム通してはなかなか聴きにくかったんですが、今作はポップ寄りのアレンジの曲が多く、「あれ?」って感じ…

Yazmin Lacey / Voice Notes

一言でいうとエリカ・バドゥ・フォロワーの一人です。でもね、それでいいんです。変拍子のジャジーなトラック、力が抜けた思わせぶりなヴォーカル。メインストリームのR&Bにはない突き抜けた感。ここまで堂々としたフォローされると素直に聴けます。ぶっちゃ…

Jayda G / Guy

UKの老舗NINJA TUNEからハウス系DJ/プロデューサーのアルバム。テイラー・スゥイフトやデュア・リパなんかのリミックスでも有名との事ですが、その辺はチェックしてないので割愛。ボーカルは全曲自分でやってます。前に取り上げたSG Lewisと同系統で、軽めの…

Daniel Caesar / Never Enough

カナダ出身のシンガー・ソングライター。CDのリリースは4年ぶり2枚目。全体的に気だるい、脱力感のあるボーカルで、中でも艶っぽいファルセットはエロさダダ洩れです。ロウ・ファイなトラックも特徴的で、90年代のいわゆるネオ・ソウルっぽさも多分に感じら…

Kelela / Raven

US出身ののシンガーの2nd。ジャケの雰囲気、Warpからのリリースってことでひんやりしたエレクトロニカを想像したら、その通りでした。彼女のルーツ(エチオピア系の二世とのことです)を強く押し出したビジュだとか、アフロビートを取り入れた楽曲とか、抑揚…

Muni Long / Public Displays Of Affection: The Album

USのリリーススケジュールは、プロモーションの兼ね合いもあって11月頃から年始の期間はリリース数が極端に減ります。そんな時期にグラミー賞(2月)のリストを眺めていて、"Best New Artist"とR&Bの複数部門にノミネートされていたこの人に目が留まりまし…

Kali Uchis / Red Moon In Venus

コロンビア出身シンガーの3rdアルバム。全編スペイン語の前作が大ブレイク。今作はラテン系の色が濃かった前作より、かなりメインストリームR&Bに振った感じです。この人の魅力は何といってもジャケでもわかる通りの”メス感”です。ただ弱々しいそれではなく…

Smino / Luv 4 Rent

J.コールのドリームヴィルで注目を集めるラッパーの3rdアルバム(CDでのリリースは1st以来で5年ぶり)。時に歌うようなフロウで、楽曲のタイプもバラエティに富んでおり、聴けば聴くほど味が出るタイプのアレです。絶頂期のアウトキャストにも似た感覚もるの…

Giveon / Give Or Take

魅惑の(笑)バリトン・ヴォイス、ってどうしようもなく古臭い表現がぴったりな、良い意味で「古き良き」感が濃いシンガーの2ndアルバム。ジャスティン・ビーバーの"Peaches"での違和感(もう一人のダニエル・シーザーも大概でしたが)も逆に新鮮で彼の存在が…

Kendrick Lamar / Mr. Morale & The Big Steppers

ラップ・スターにありがちなゴシップとは無縁。ある意味いま最もハード・コアな存在とも言えるケンドリック・ラマーの4thアルバム。NHKで単独インタビューを受けるアメリカのラッパーなんてそうそういません。 www3.nhk.or.jp ピックアップする1曲はネタ感が…

Toro Y Moi / Mahal

通算7枚目のフルアルバム。60年代末から70年代前半のローファイ・サウンドが軸。Yesや、スライ・ストーン、ジミ・ヘンドリックスあたりを彷彿とさせるギミックが山盛り。ファズやワウにパン、ハモンドオルガン、逆回転等々。ヴィジュアルからもこのアルバム…

Denzel Curry / Melt My Eyez See Your Future

2017年の1st以降コンスタントにリリースを続けるマイアミのラッパー5thアルバム。サンプリング感の強いローファイな曲では90'sを彷彿とさせるフロウを、トラップビートの曲ではしっかりそっちにも対応と、Joey Bada$$やTravis Scottと同系譜の人です。ふり幅…

Kehlani / Blue Water Road

メジャーデビュー(2017年)後の3rdアルバム。デビュー時は個人的にどうにもビジュがピンと来なくて食指が動かなかったんですが、ゲスト仕事を色々聞くうちに「待望の」になりました。スリック・リックにEPMDとコテコテのヒップホップネタの曲ですら中和して…